【スポーツビジネス アリーナMap】

現在日本でスポーツアリーナの建設ラッシュが起きていることを、皆さまはご存じでしょうか。 最近では、船橋市のLaLaアリーナや、長崎市の超巨大複合型施設である長崎スタジアムシティが新たに開業し、大きな話題となっています。 今後も多くのスポーツアリーナが全国に開業予定で、スポーツアリーナの新設は日本中が注目している話題と言うことができるでしょう。 本コラムでは今後開業予定である要注目なスポーツアリーナマップを作成し、それぞれがどのような特徴を持っているかまとめていきます。ぜひ最後までご覧ください。

①旭川スポーツパーク・アリーナプロジェクト


「旭川スポーツパーク・アリーナプロジェクト」は、株式会社まちのミライが2024年10月に発表したばかりの新しい構想です。
株式会社まちのミライは、株式会社コンサドーレが2023年に設立した新会社です。これまでのスポーツビジネスの経験を活かしながら、変わりゆく社会や喫緊に解決すべき社会課題と真摯に向き合うことで、北海道で暮らす人々の「ウェルネス」「共生」「活性化」の実現を目指すことを目的とした会社です。
スポーツ振興と地域活性化を目標に、2030年のオープンが計画されています。

建設理由

建設予定地となっている旭川市は人口約32万人を有する、北海道内で2番目の規模を誇る都市です。特に、旭川大雪エリアの人口は約46万人にのぼり、旭川空港やJR旭川駅からのアクセスも抜群です。この地期は、スポーツイベントやコンサートによる経済活性化の大きなポテンシャルを秘めているということができるでしょう。本プロジェクトは、旭川大雪エリアのスポーツ振興を中心とした持続的な活性化を目的としています。

みどころ

旭川アリーナ(仮称)は、セミプロバレーボールリーグであるSVリーグに所属するヴォレアス北海道が本拠地にする予定です。SVリーグの本拠地として完全民営のアリーナが使用されることは初のことであり、2030年までの使用開始の実現に向けて計画を進めています。
アリーナはほかにもコンサートやバスケットボールの試合でも使用される予定で、旭川の新たな音楽・スポーツの拠点になることを期待されています。

パークやアリーナ内には商業施設やカフェ、レストラン、交通のハブの役割も備える予定です。地域住民やアスリート、観光客が集まる365日稼働するコミュニティスペースとして愛されるアリーナとなるでしょう。地域住民の憩いの場であるとともに、全世代に開かれた新たな交流拠点として地域の持続的な発展と旭川大雪エリア全体の価値向上を目指します。

②トヨタアリーナ東京

工事が進められているトヨタアリーナ東京

トヨタアリーナは、「可能性にかけていこう」というコンセプトのもと、2025年秋に東京・お台場に新設予定の新設アリーナです。
青梅駅の目の前で、東京駅や品川駅等の主要駅からは30分以内、羽田空港からも乗り換え1回でいくことができるアクセスの良さが魅力です。

建設理由

トヨタアリーナをホームアリーナとして使用する予定である、アルバルク東京の代表取締役社長 林邦彦氏は、2016年にB.LEAGUEが開幕して以降、代々木競技場のほか、有明コロシアムや駒沢オリンピック公園などを使用してきたものの、試合会場の確保に苦しんだこともあり、安定的に東京で試合を行うためにホームアリーナが必要であると説明しています。

また、2026-27シーズンからBリーグに新たに導入されるB.LEAGUE PREMIERに参入するための条件として収容人数5,000人以上等の基準を満たすアリーナがあることが条件となっています。これにより日本各地でアリーナが新設されており、この流れに対応することが大切であるという想いから、ホームアリーナの建設に至ったのだといいます。

その他の新設アリーナやBリーグの新たなリーグ構成に関しては、こちらの記事をご覧ください。

■なぜ今、スポーツアリーナの建設ラッシュが起きているのか
「現在、全国で日本プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」が使用するスポーツアリーナの建設が盛んに…」

みどころ


メインアリーナでは、国内最高精細のセンターハングビジョンに加えて、国内アリーナとしては初の2層のリボンビジョンが設置されています。これにより、最高峰のエンターテインメント性を観客に届けることを可能にしています。


沢山のホスピタリティエリアもトヨタアリーナならではの魅力です。コートへ向かう選手の通路に隣接し、選手を間近で感じられるプレーヤーズラウンジや、観戦席とバースタイルのラウンジを自由に行き来できるクラブラウンジなど、新しい観戦スタイルを提供する施設が存在します。

プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」の2025-2026シーズンではアルバルク東京が、2026-2027シーズンからはアルバルク東京とサンロッカーズ渋谷の2チームがホームアリーナとして使用することが決定し、大きな話題となりました。人気が急上昇しているBリーグのホームアリーナとしてはもちろんのこと、様々なスポーツや音楽が集まる拠点として、多くの人が訪れるアリーナとなるでしょう。

③川崎新!アリーナシティ プロジェクト

建設予定地空撮イメージ画像

川崎新!アリーナシティプロジェクトは、株式会社DeNAと京急電鉄が共同出資・共同オーナーとして進めている民説民営のプロジェクトです。
京急川崎駅に隣接し、羽田空港からも電車で最短13分というアクセスの良さが魅力のアリーナ構想です。

建設理由

新アリーナシティが構想されている理由には、土地の問題が大きく関係しています。
プロジェクトの舞台となっている京急川崎駅周辺は、羽田空港から電車で最短13分であることや、JR川崎駅・京急川崎駅含めて1日の乗降客数が60~65万人と多くの人が行き来する巨大ターミナル駅であり、抜群のアクセスの良さが特徴です。また、すぐそばには多摩川が流れており、広い土地・自然も身近に存在しています。

しかし現状では、このポテンシャルの高さを活かしきることができていません。
例えば、JRと京急本線の高架に囲まれていることから土地の高度利用ができていないこと、京急川崎駅から多摩川までの導線がはっきりとしておらず、多摩川周辺が有効活用できていないことが問題となっています。

また、周辺地域の道路は狭く、歩車分離がされていないため危険であることも問題として挙げられています。この地域では、歩行者空間の充実を行うことで安全性を確保し、歩行者中心のウォーカブルなまちづくりを進める必要があるのです。

土地のポテンシャルを活かすこと、多摩川周辺の二次開発を目的として、新たなアリーナを中心としたプロジェクトが構想されています。

みどころ

川崎市は環境先進都市として多くの取り組みを実施しています。新アリーナシティは川崎市がおこなっている取り組みと連動し、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、最新の環境技術、再生エネルギー等の利活用等を検討し、建築計画立案を行う予定だと言います。

最大15,000人収容規模の日本最大級のアリーナとなる予定であり、Bリーグ主催試合時の収容可能人数についても12,000人規模となる予定です。メインのアリーナに加えて、宿泊施設や飲食施設、公園機能等を備える商業施設を含む総合エンターテインメント施設として開発が進められています。

Bリーグ2030年‐2031シーズンからは川崎ブレイブサンダースの本拠地として利用される予定でありますが、そのためだけにはとどまらない、川崎の街の新たな歴史をつくるような街づくりプロジェクトとして、今後の動向に要注目です。

④IGアリーナ

IGアリーナイメージ画像

大相撲の名古屋場所やBリーグ名古屋ダイヤモンドドルフィンズの本拠地とされているドルフィンズアリーナが移転し、IGアリーナとして新たに生まれ変わろうとしています。
IGアリーナは、「可能性を超えていけ」をコンセプトとして建設されている新アリーナです。名古屋城に近く、名城公園駅を出てすぐの愛知県名古屋市の名城公園内に建設されています。

建設理由

IGアリーナに移転される理由として、1964年に建設されたドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)の施設老朽化や、現代において規模や機能がスポーツの国際大会を開催するための国際基準を満たしていないという点が挙げられます。

ドルフィンズアリーナは、1971(昭和46)念に行われた第31回世界卓球選手権で中国が6年ぶりに出場し、それをきっかけにその後アメリカと中国の国交が正常されたという、「ピンポン外交」の舞台にもなった場所です。このように、58年の歴史を引き継ぎながら、スポーツの全国大会や世界大会に加えて、コンサートなどのイベントの拠点となる施設として現在建設が進められています。

みどころ

ドルフィンズアリーナは、着席収容が15,000人のトップクラスのアリーナとなる予定です。

また、IGアリーナは最先端の「スマートアリーナ」を目指しています。
スマートアリーナとは、情報通信技術を導入することで、利便性や観戦・鑑賞の満足度を高めるアリーナです。
具体的には、Wi-Fi環境の整備や売店・トイレの混雑状況の共有、電子チケットなどの積極的利用によるストレスフリーな観戦が挙げられます。
建設プロジェクトにNTTドコモという最大手移動通信企業が参加したことにより、最先端のシステムの導入や効率的な業務の遂行がかなえられています。

IGアリーナは、オープンイベントには音楽プロデューサーの滝沢秀明さんが演出担当として選ばれたことで、より一層注目を集めています。
スポーツや文化のアジアを代表する拠点を目指す、IGアリーナの完成が待ち遠しいです。

⑤GLION ARENA KOBE


GLIONアリーナは、2025年4月に開業予定の新アリーナです。神戸ストークスがホームアリーナとする予定であり、NTT都市開発株式会社、株式会社スマートバリュー、NTTドコモの三社企業がタッグを組んだ民設民営のアリーナです。

建設理由

・次世代に誇れる故王べのランドマークプロジェクトを推進
・アリーナ周辺にも日常に賑わいが生まれる地域活性化への貢献と社会課題解決型アリーナの創出

またもう一つの理由として、神戸市内の人口流出を食い止めるという点が挙げられます。観光地でもあり人気の高いイメージのある神戸ですが、2023年には人口が150万人を下回るなど近隣地域への人口流出が問題となっています。GLIONアリーナの建設は、人口減少を止めるきっかけになるのではないかと期待されています。

みどころ


GLIONアリーナは、日本初の270度海に囲まれた水辺のアリーナです。外見デザインは、阪神・淡路大震災から30年の節目に開業する本アリーナが、「神戸から感動と興奮を発信し、世界へ羽ばたく姿」を表現しているといいます。
また、GLIONアリーナの周辺は広々とした公園になっており、神戸の若手建築家である畑友洋氏と共に、広場全体を劇場に見立てた劇場型パークを計画しています。アリーナの中だけではなく屋外でもイベントを開催することで、365日にぎわう神戸の新たな拠点を目指しています。

⑥新福岡武道館


新福岡武道館は、2025年11月に完成予定の新しい武道館です。
「武道の精神と福岡の文化の融和による武道振興の新たな拠点の創出」をコンセプトにデザインされており、新たなランドマークを目指しています。

建設理由

・新県立美術館が武道館を含む大濠公園の一部に建設されることから移転改築

1979年に大濠公園に建設された福岡武道館ですが、

みどころ

・「省エネ化や周辺環境に配慮した設計で、人と自然に優しい武道館」をテーマに環境にやさしいZEB化(省エネルギー化 40%以上)などにより、福岡県民に愛される福岡の新たなランドマーク施設を目指す。
・施設のバリアフリー化を目指す
・博多織をモチーフとした列柱やデザインで武道館の風格と福岡らしさを演出

まとめ

いかがでしたでしょうか。
新設予定のスポーツアリーナには、それぞれの建設される目的と特徴があることがわかります。
今回ご紹介した以外にも今後開業予定のスポーツアリーナは沢山あるため、自分の住む地域にもあるかどうか、ぜひ調べてみてください。

当サイトでは、スポーツビジネス・スポーツアリーナに関する記事をほかにも多数掲載しておりますので、併せてご覧ください。

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