新アリーナ特集|目指せ「文化の拠点」川崎の新たな一大プロジェクト

新アリーナ特集!今回は、2030年にオープンが期待されている川崎の新アリーナについてお届けします。 当アリーナ建設プロジェクトは「川崎新!アリーナシティプロジェクト」として、株式会社ディー・エヌ・エー(以下:DeNA)が他の民間企業と協力しながら推進しています。 本コラムでは、今まで野球やサッカー、バスケットボールなど幅広くスポーツに携わってきたDeNAが考える新たなアリーナシティの魅力を解説します。

基本情報

〈名前〉
川崎新!アリーナシティプロジェクト

〈住所〉
神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番4ほか
https://skyscrapers-and-urbandevelopment.com/page-256/page-4628/page-4635/page-12589/

〈アクセス〉
京急線 京急川崎駅
JR線 川崎駅

〈ホームチーム〉
川崎ブレイブサンダース

〈ホームページ〉
https://kawasaki-arena-city.dena.com/

公営or民営?

以前までスポーツアリーナや体育館は、国が建設して運営もおこなう公設公営のものが主流でした。
しかし近年では、国が建設したアリーナの運営を民間企業に受託したり(公設民営)、民間企業が建設から運営まですべてをおこなう(民設民営)など、民間が関わるスタイルが増えています。

スポーツアリーナの建設・運営形態について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【公設?民設?】最新スポーツアリーナの建設・運営形態に迫る!

川崎新!アリーナシティプロジェクトで建設される新アリーナは、DeNAと京急電鉄が共同で建設を進める民設民営のアリーナです。
DeNAが今まで培ってきたスポーツビジネスのノウハウを生かしながら、京急電鉄と力を合わせることで、駅など周辺エリアを含めた価値の最大化を図っています。

命名権

DeNAは当プロジェクトにおいて、OVG EUROPE LIMITED(以下:OVG)との間で、命名権を中心とした海外企業へのパートナーシップセールスに関する業務提携契約を締結しました。

OVGはロンドンに本社を構えており、世界規模でアリーナやスタジアム施設の開発・運営をおこなっています。
海外からのお客様にアリーナにお越しいただくための第一歩として、プロジェクトに賛同する世界のスポンサーとの関係構築や、施設の体験価値を向上させる戦略の策定を推進しています。

DeNAとOVGが協力して、どんな企業がネーミングライツを獲得するのか、今後の展開に要注目です。

建設される目的

土地のポテンシャルを活かすため「デッドスペース」を解消

プロジェクトが進行している京急川崎駅周辺は、すぐそばに多摩川が流れており広いスペースが確保されていて、自然豊かなポテンシャルの高い街です。

しかしながら、JRと京急本線の線路に囲まれており、周辺地域とのつながりが希薄であることが問題です。
さらに、多摩川へ続く道は狭いため、多摩川周辺はデッドスペースのようになってしまっているのが現状です。

そのため、多摩川や線路で囲まれた地域の繋がりを強化しながら、デッドスペースを活用していく必要があります。

ウォーカブルで安全な街の実現

プロジェクトエリア周辺は、道路が狭いうえに歩車分離がされておらず、歩行者の安全性や利便性が課題となっています。
さらに、先ほども記載した通り多摩川への歩行者通路が狭く分かりにくいことも問題です。

この問題を解決し、歩行者中心のウォーカブルなまちづくりを進めるには、エリア内の道路整備や、自動車・歩行者の導線を確立することが重要です。

社会の変化に合わせたまちづくりの重要性

プロジェクトが発表された2023年は、新型コロナウイルスの流行が収束し、人が集まり空間や時間を共有することが増えた時期でした。
コロナ禍を経たことにより、対面での交流の重要性が社会において高まったことで、人が集うアリーナの誕生が心待ちにされています。

さらに、SDGsという言葉がここ数年で浸透し、環境や多様性に配慮したまちづくりが求められるようになりました。
川崎が抱える課題の解決や持続可能なにぎわいを創出するために、官民連携のアリーナ建設が必要になったのです。

川崎新!アリーナプロジェクトの特色3選

アリーナが提供する4つのエンタメコンテンツ

新川崎アリーナは、スポーツ×音楽×ダンス×アートを中心に、ワクワクする体験を提供します。

①スポーツ
前述したとおり、新川崎アリーナはBリーグ所属クラブ「川崎ブレイブサンダーズ」のホームアリーナになることが予定されています。

Bリーグの人気は急上昇しており、2026シーズンからは新たなリーグ制が採用されるなど今後も大きな盛り上がりを見せると考えられます。
リーグの人気上昇に伴い、アリーナも人が集まる活気ある施設になると予想されます。

さらに、2025年5月にはアリーナ建設予定地にてスケートボードBMXの大会「Spark ONE」が開催されました。
特別ゲストとして、2024年パリオリンピックのスケートボード女子ストリートにて金メダルを獲得された吉沢恋選手が出場し、非常に大きな盛り上がりをみせました。

新アリーナではバスケットボールを軸に様々なスポーツがおこなわれ、人々の熱狂や歓声が創出されるでしょう。

②音楽
世界水準の音響を誇る「ミューザ川崎シンフォニーホール」や複数の音楽大学がある川崎は、音楽のまちとして知られています。
川崎市は「音楽のまちづくり」として積極的に音楽イベントを実施しています。

当プロジェクトではメインアリーナをボウル型の形状にすることにより、スポーツと音楽イベント共に使いやすい会場となる予定です。
さらに、サブアリーナでは2000人規模のコンサートを開催できることから、国内外幅広いジャンルの音楽イベントの実施が期待されています。

③ダンス
ブレイクダンスの聖地」とも呼ばれる川崎。
ストリートダンスを中心としたダンスコンテストやイベントが実施予定です。

また、川崎新!アリーナプロジェクトの一環として、「カワサキ文化公園」の運営を9/21を開始しました。
当施設は京急川崎駅から徒歩約9分の所にあり、3on3大会が実施可能なサイズのバスケットコートに加えて、ブレイキンやダンスの練習が可能なパフォーマンススタジオ、ストリートコートを完備しています。

④アート
川崎は、太陽の塔を制作したことで知られている岡本太郎氏が生まれた町としても有名です。
現に、岡本太郎美術館や藤子・F・不二雄ミュージアムなど、複数の美術館を有しています。

川崎にゆかりのあるアーティストをはじめ、さまざまなアーティストの表現空間を設置します。

工夫が凝らされた商業棟

京急川崎駅側には、17階建ての商業棟が建設される予定です。

10階から17階まではホテルおよびレストラン
3階から8階まではスパおよびフードホール
1解から2階がサブアリーナライブホール(バスケ試合時は練習場)

4階から6階はメインアリーナと接続する形式のため、移動が容易になります。これにより、アリーナで行われるイベントの前後に商業施設を利用するなど、施設全体の滞在時間と消費活動の増加が期待されています。

収容人数15,000人!国内最大級のメインアリーナ

計画当初に比べて建設予定地が広くなったことにより、最大15,000人、Bリーグ試合日でも12,000人を収容可能な大規模アリーナの建設が可能になりました。
これは、日本武道館有明アリーナに匹敵する収容人数です。


収容人数が大きくなったことで、格闘技や国内の音楽ライブ、さらには海外アーティストのライブ会場候補にもなり得ることから、"世界に開けたアリーナ"の実現が期待されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

川崎新!アリーナシティプロジェクトは、国内最大級の多目的アリーナとして、スポーツや音楽、ダンス、アートなど多数の文化の拠点となることが期待されます。
周辺エリアの再開発や商業施設との連携で地域活性化を実現しながら、国内だけではなく海外にも開けた街のシンボルの誕生に、要注目です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
当サイトでは、他にもスポーツビジネスやアリーナに関する記事を多数公開しているため、ぜひ併せてご覧ください。

参考文献

「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」:https://kawasaki-arena-city.dena.com/(サムネイル画像)
「最大15,000人収容規模のアリーナが誕生!川崎がアジアを代表するエンタメシティに」:https://fullswing.dena.com/archives/100128/
「「京急の中核駅」に"お風呂つきスタジアム"川崎新アリーナの概要明らかに 駅前直結 音楽の聖地にも?」:https://trafficnews.jp/post/132649
「令和5年度「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」選定拠点表彰式を開催」:https://sports.go.jp/tag/life/5-1.html
「DeNAとOVE EUROPEが「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」のネーミングライツを中心とした海外企業へのパートナーシップセールスにおいて業務提携」:https://sports.dena.com/news/20250131

PROSPOに無料会員登録する

無料会員登録していただいた学生の皆さまへは会員限定のお得な情報を配信いたします。